どうしようもないフェロー達3人がなんとか踏ん張って治療に参加できるようになってきましたね。よかったよかった。
でも、本当の仕事の苦しさはここから始まります。様々なモチベーションをもって懸命に仕事にとりくんでいても次々と理不尽なできごとが・・・。
フェロー達はそんな苦しい現場で、どれだけ踏ん張れるのでしょうか。そして、実はその苦しさは、フェローだけが味わっているわけではなかったのです・・・。
あいかわらず、画面にくぎ付けの、あっという間の1時間でした。
<あらすじ★ネタバレ>
フェローの横峯(新木優子)、灰谷(成田凌)たちは、どうして医者になったのか話し合っていた。灰谷は幼いときにドクターヘリに助けてもらったから、と答える。自分もそうやって人を助けようと考えたのだ。
そこへ、踏切事故でドクターヘリ要請が入る。3人が負傷。白石(新垣結衣)、灰谷、雪村(馬場ふみか)がヘリに乗り込む。かなり危ない状況であることを知った灰谷は、思わず着陸を急ぐようパイロットに頼む。その時、ヘリは突然バランスをくずし着陸を失敗してしまった。
幸い、スタッフはみな無事。白石たちは治療に取り掛かったが、男性一人が大動脈破裂。回復の可能性が絶たれてしまった。彼は、踏切で動けなくなった高齢女性を助けようとして、フィアンセの女性とともに事故に巻き込まれてしまったのだった。
灰谷は、それでも心臓マッサージを続け、男性を助けようとするが、ついに白石と藍沢の指示に従って男性の治療を断念する。
その後調査委員会が開かれた。灰谷は正直にパイロットをせかした自分の発言を告白するが、責任を問われたのは結局パイロットだった。
ヘリが着陸に失敗し飛べなくなったこと、患者を助けられなかったこと、フィアンセの女性を絶望させたこと、そして、指導係の白石やパイロットたちに責任を負わせてしまったこと・・・多くのことが灰谷の精神を苛んでいた。
そんな灰谷を藍沢は「事実を客観視できないバカ」と評するが、白石に、「それは灰谷先生だけじゃない」と逆に言われる。
藍沢は、天才ピアニストの手術を自分が完遂できず、また、手術のおかげで患者の命は助かったものの、後遺症が残りピアニスト生命が絶たれてしまったことに悩んでいた。
シーズン3も、もう第8回。はじめて事故現場に飛び込んでいくことには慣れたものの、残念ながら現場の患者はたいていは厳しい状況。必ず助けられるという保証はありません。
そして、皆が善意で必死に頑張っても、悪いことが次々と悪くなっていくことはあり得る、ということを、今日は突きつけられました。医者といえどもスーパーマンではないのです。そして、藍沢といえども。
藍沢たちがかつて(そして今も)苦しんできたことに灰谷は今日ぶつかってしまいました。慣れる、ということではなく、この仕事をしている以上絶対に逃げられないこの世の理不尽。
白石は、灰谷と同じ気持ちを持ちつつ、常に最善を判断して仕事をすすめていく経験と精神力を体得していますが、灰谷は自分を責める気持ちに圧倒され、そこから逃げられなくなってしまったんですね。
この辺の描き方は、やっぱり「コードブルー」の基本。そして、フェローの灰谷だけではなく、じつは藍沢も患者の願いをかなえられなかった苦しさを抱えていたのです。
たくさんの苦しさの中で、緋山(戸田恵梨香)が、踏切事故で死んだ患者男性の検視結果を、そのフィアンセの前で静かに説明します。死亡した男性は、大動脈破裂による失血死。けがのほとんどは左半身に集中していました。緋山は自分の考えを話します。左側ばかりに多くのけがを負ったその理由は、男性が、右側にいた彼女を守ろうとしたからだ、と。彼女に生きてほしかったからだ、と。
緋山は本領発揮で頑張っています。そして、どうやらフェローの名取(有岡大貴)は、緋山のことが気になってならない様子。それより、お仕事もっと頑張ってほしいですね!
重たいテーマがずーっと展開していきますが、主人公たちの懸命な生き方がすがすがしいドラマです。