前回に続き、商人の町気賀をめぐるストーリー。
直虎は、今川の大沢に代わって、気賀を治めようという決心を固めます。今回は、どのようにして直虎とそのチームがこの一見無理な企てを成功させるかが見どころです。
<あらすじ>
気賀の町衆たちが、井伊にやってきた。これから作る気賀の城には、今川の大沢氏ではなく、井伊の直虎に入ってほしいという願いだった。
気賀が大沢の所領となれば、今までのような自由な商いが損なわれる。せっかく気賀に根付いた龍雲丸も出て行ってしまうかもしれない。しかし、自分が気賀を治められるならば、と直虎は考える。
気賀で商いを広げたい方久が中心になって、今川に働きかけを始める。関口を懐柔することに成功したものの、氏真を説得にかかろうとしたところで、火急の知らせがはいって願い出は中断されてしまった。武田・今川の同盟の要である武田義信が自害したというのだ。ショックを受ける氏真。
一方、龍雲丸は、井伊が気賀に入ろうとしていることを聞き、出ていくという考えを翻した。城を作るなら、自分たちが普請を請け負うというのだ。龍雲丸は様々な城を回って、絵図面を描き、自分の理想の城を研究し、実現しようとしていた。
龍雲丸と話した直虎は、大沢がたくさんの城の普請を抱えていて、必ずしも気賀を得ることに熱心ではないかもしれないと考える。そこで、方久を通じて大沢を説得させ、大沢や関口から氏真に口添えをしてもらい、とうとう、氏真の許可を得て気賀を治めることになる。
今回は自他ともに認める「銭の犬」、方久が大活躍でした。
気賀に直虎が入るというアイディアは、町衆たちが来る前にそもそも方久が直虎に進言したもの。その時点で、すでに頭の中に説得の道筋がかなり見えていたようですね。
みずから、関口、大沢、今川へと出向き、絶妙のトークで相手を説得します。それだけ、方久にとっては、気賀が「金を生み出す」場所であったのでしょう。
今回は、珍しく家老の政次も乗り気。井伊の将来にとって気賀がもたらすものを彼もまた思い描いたに違いありません。
それだけスゴイ場所なのに、やすやすと井伊にまかせてしまう大沢の心理がよくわかりませんが、たぶんこの人のポジションはかなり高く、武田・今川の同盟関係が危機に瀕している現状、目の前の仕事が山積していて、小さな井伊と小さな所領のめんどくさい話はどちらかといえばお荷物だったのかもしれません。
戦争もしないで見事気賀を手に入れた直虎を、政次はずいぶん誇らしく思っているようです。そろそろ、名城主、の片鱗があらわれてきたんでしょうか。
直虎自身は、気賀の町衆や龍雲丸などを心配する気持ちから行動したようですね。領主として、民を守る、という純粋な気持ちが彼女を動かし、周囲を動かしたんでしょう。直虎、頑張れ、といいたいです。
政次「お止めはいたしませぬが、・・・あとは殿のお心ひとつかと。気賀を預かりたいか、否か」
直虎「・・・できることなら、気賀の者たちに報いてやりたいとは思う。皆が創りあげてきた、町の形を守ることができれば」