今週のひよっこ登場人物の皆さん、それぞれに新しい風が吹き始めました。「変わっていく」ことが、だいたい、「いいこと」だった時代です。昭和の右肩上がりの空気の中、みんなの進む先にはなんとなく明るい光が見えています。
中でも、みね子。これまでも、少しづつ、オトナになってきた様子はあったんですが、今週、あっと驚く思わぬ行動にでました。それは、たまたま一つだけではなく、次々と・・・。
特別の有名人ではなく、あくまで普通の女の子である、みね子ですが、どんなスターにもまして、ドラマの中で輝く存在です。長い朝ドラの歴史の中でも、光る存在になったんじゃないでしょうか。「ひよっこ」、名作です!
<あらすじ★ネタバレ>
ずっと愛し続けていた過去の恋人がなくなり、あかね荘の大家・登美子(白石加代子)は喪服を着て、別れを告げに行こうとする。すずふり亭の鈴子(宮本信子)は一緒に付き添ってやりたいが、店を透けられず困っていた。
そこで、みね子(有村架純)。なんとピンチヒッターとして由香(島崎遥香)を引っ張ってくる。驚いて硬直する省吾(佐々木蔵之介)や鈴子(宮本信子)たちにてきぱきと指示を出し、仕事も由香を組み込んだ分担に調整する。こうして、由香は、すずふり亭の一員として、ランチタイムの忙しい時間を懸命に働いたのだった。
そのころ、女優の川本世津子(菅野美穂)は、金銭問題のスキャンダルでマスコミに追われていた。実は彼女は幼いころ両親を亡くし、育ての親たちと金銭問題を抱えていたのだ。今は自宅に閉じこもって、どうしていいかわからずに一人で座り込んでいた。
みね子は、ヒデ(磯村勇斗)、ヤスハル(古舘佑太郎)と組んで、世津子を救い出すことにする。出前のふりをして記者たちを押しのけて世津子の部屋へ。そして、世津子の手を引っ張り、見事脱出に成功!
みね子たちは、すずふり亭の裏で世津子と一息ついていた。そのタイミングで突如停電。世津子とみね子は、真っ暗な中、部屋からでてきた住人たちに気が付いたら取り囲まれていた。
飾らない様子であいさつする世津子を住人たちは暖かく迎える。何一つ事情を聴くでもなく、そのまま世津子を囲んでの歓迎会が始まった。そして、世津子はあかね荘に滞在することになった。
今週も、あくまでみね子たちの日常に寄り添うドラマ展開でしたが、みんなにはそれぞれ「新しい風」が。
みね子は、ヒデに「もっと自分の気持ちを大事に」と言われて以来、何か吹っ切れたんでしょうか。「言いたいけど、言えない、したいけど、できない」という過去のみね子を脱却!とにかく行動的でした。今週は、①由香を無理やりすずふり亭に引っ張ってくる、②マスコミのかべを突破して世津子さんを強引に赤坂に引っ張ってくる、という2つの功績を挙げたのです。
どちらも大成功!とっても気持ちよく成功しました。特に、目上のはずなのに、なんだか弱弱しい子供のようになってしまった世津子さんの手をしっかり握ったシーンは圧巻!二人の新しい関係ができあがりました。ここ、結構感動ポイントでした。
世津子さんも、部屋のなかでは、地味な服装ではだしのまま頼りなく座り込んでいたのですが、みね子に救出されてから、朗らかになりはしゃいだ様子でした。菅野美穂さん、すごいですね。実際「女優」なんですが、いかにもな「女優」の感じから、恋する女性、別れの悲しさを押し殺す表情、そして、今週のみね子に頼るような子供のような姿、そして女の子っぽくはしゃぐ様子。複雑な役柄ですが、本当に魅力的でした。どんな様子の時も、しっかりした大人の女性の品格と、きれいな気持ちの持ち主であることがわかる清楚な表情を崩していません。名演ではないでしょうか。
来週も、世津子さんが見られそうで、楽しみです。そして、みね子はこんどどんな活躍をしてくれるのでしょう。ほんとにいつまでも見ていたいドラマになったのに、9月も、もう残り少ない!残念。