命と、命よりも大切なものと、どちらが大切なのか。医療現場では、ことに救命の現場ではこの問題にぶち当たることがあります。
今回は、14歳のピアニスト、有名料理人、アルツハイマー予防研究者たちがドクターたちに大きな問題をつきつけます。
そして、思わぬ事故で重大な危機に陥ったはるかの運命は?
今回も息つく間もない展開で私たちの目をくぎ付けにしてくれました。
以下ネタバレあらすじです。
<あらすじ>
森林公園で意識を失った男性を救助したドクターヘリの中で、突然はるか(比嘉愛未)が意識を失う。白石(新垣結衣)が見ると、同乗している灰谷(成田凌)も苦しそうな様子だった。ヘリの中の空気は、原因不明の物質で汚染されていたのだった。
藍沢(山下智久)たちが待ち受ける中、はるかがヘリから運び出される。彼女は妊娠中で、一刻も早い処置が必要だった。灰谷の説明で、ようやく原因が「シアン」であることが判明。赤ちゃんの父親である藤川(浅利陽介)は、「赤ちゃんのためにヘリをおりてほしい」と言えなかったことを後悔する。
一方、藍沢が脳外科で出会った患者は14歳の天才ピアニストだった。彼女は手術によって二度とピアノを弾けなくなる可能性があった。彼女にとってそれは命よりも大切なものを失うこと。しかし、医者は常に命を優先せざるをえない。
救命には、渓流で足をすべらせた緒方がいた。彼は世間で注目を浴びているこだわりの料理人。頸椎にダメージを受け、かれもまた二度と包丁を握れなくなる危険を抱えていた。
ドクターヘリの汚染の原因となったのは、世界的なアルツハイマー予防研究者の秋本が自殺を図ったためだった。研究競争に敗れたのがその原因。彼は自殺のために飲んだシアンのカプセルを吐き出したために吐しゃ物をあびたはるかが意識不明に陥ったのだ。
秋本は一命をとりとめるが、妻の前でまたも飛び降り自殺を図る。ドクターたちは、再び彼の命を救うために危険な手術に挑んだ。いったん「ダメージコントロール」のため、24時間待ち、さらに処置を続ける。秋本の体は反応し、再び生の道を選んだ。
はるかもまた、意識を取り戻した。喜ぶ藤川。そしてはるかに今の気持ちをはるかに伝える。「ずっとはるかと生きたい」と・・・。
こうして振り返ってみると、重い重いテーマがつぎつぎと突きつけられていますね。
常に命を優先させなければならない医師の使命。しかし、患者の思いの重さを感じ取る藍沢は、一つ一つの医療行為に悩み続けなければなりません。
普通の人間には耐えられないような過酷な任務に十分悩み続ける時間もなく、スピーディにドラマはすすんでいきます。かろうじて、藍沢の独白と、主人公たちのマスクの陰の表情で、そのつらさや悩みが感じ取れるのみ。
本当は、これらのエピソードの数を減らして、もう少しじっくり心情を教えてほしい気もするのですが、そこはあえてこういう展開にすることで、救命現場の現実を見せてくれているのかもしれませんね。
自殺を繰り返し、ドクターたちを奔走させる患者に対しても、ただ、真摯に命を追い求めて治療にあたるのみ。本当にプロフェッショナルで感動します。
成長したチームの今後を、少しでも長く見ていきたいと思っています!