「生きているものはおらんかーっ」という皆の悲痛な叫びで今回のドラマは幕を開けます。気賀の民たちは、徳川軍によって殺戮され、堀川城には死体がころがっているばかり。その中には、民たちを助け出そうとして奮闘した龍雲丸の一党も含まれていたのです。
龍雲丸を槍で突き殺すという悪い冗談のような悪夢を見た直虎。井伊家を取り潰され、政次も亡き者になり、悲嘆の中から、ようやく自分を取り戻したというのにどこまでも悪いことが続くものです。
・・・とにかく、龍雲丸は死なないで!!!と思いながらハラハラにてみてしまいました。
<あらすじ★ネタバレ>
徳川家康(阿部サダヲ)は気賀を攻略する際に、民を助け出すことを方久(ムロツヨシ)に約束したにもかかわらず、酒井忠次(みのすけ)が率いる軍は気賀の民をみせしめのために惨殺してしまう。
気賀にかけつけた直虎(柴咲コウ)は瀕死の龍雲丸(柳楽優弥)を見つけ出し、連れ帰って懸命に手当てした。そのかいあって、龍雲丸はなんとか一命をとりとめる。しかし、龍雲丸の一党は、だれも姿をみせなかった。
直虎は、大沢攻めで深手を負った近藤(橋本じゅん)の治療を頼まれ館を訪れる。そこには近藤だけでなく、戦いで傷を負ったものたちがたくさんいた。
家康は、これ以上の消耗戦を避けるため、今川氏真(尾上松也)と密かに会い、和睦について意思を固めあう。氏真は北条に身を寄せることになり、家康は掛川城に入場し、遠江全域を手中にした。
一方、隠れ里の井伊家家臣たちは、肩を寄せ合って、助け合って、暮らしを支えていた。政次のいない欠落感はぬぐえぬものの、徐々に以前の明るさを取り戻しつつあった。直虎は、そんな皆のたくましい暮らしぶりを手紙で読み、微笑む。井伊の人々に再生の兆しが表れ始めた。
戦の悲惨さは、当然大河ドラマの中でもこれまで描かれてきましたが、今回は、名だたる武将が登場しながら、戦争シーンは、わずか。前回の気賀の戦いでも、勇壮さや勝利の誇らしさより、殺されるもの、弱いものの受ける悲惨さが描かれていました。
近藤は勝ち戦でも深手を負って悲惨な状態、徳川家康はこれ以上の無駄な消耗を避けるために、和睦を申し入れるという展開。当然今川氏真は戦いたくて戦っていたわけではないので、この申し入れを喜んで受けます。
面白かったのは、家康の本音。「すり減ってきた。戦に嫌気がさした」と。氏真との会談で話します。
<今週の一言>by 家康さん
「私は何も好き好んで戦をしているわけではございませぬ。せねばならぬように追い込まれるだけで・・・」
本当かなあ、と思いますが、確かにこの時代の家康はピュアな感じで、部下の好戦的な態度を好ましく思っていない様子。ちょっと新しい家康像ですね。今回は。この辺の人間関係がこの後どうなるんでしょうね。これまでの大河では、徳川チームはいつもチームワーク抜群でリーダーの家康はまさに貫禄ある大将、といったイメージで描かれてましたが。真田丸では、もっとヒューマンな感じでしたが、今回はそれよりまた進んだ新しさです。
それにしても、直虎さん、早くバリバリの殿に復活してほしいです。
7月ごろまで気ら~くに見ていた「直虎」ですが、もう、8月ごろから見てると苦しいです・・・がやっぱり見てしまいます。
★今日のにゃんけいさん(南渓和尚の猫ちゃん)が超かわいかったです!