豪華キャストの大集合で華麗に展開する警察ドラマ。ミステリーというより警察組織の人間模様というところに焦点があたったハイテンション・ドラマもいよいよ最終回となりました。
単なる勧善懲悪ドラマではないだろうと思いつつも、ここまでさんざん裏切られ、追い詰められた主人公が、最終的にどんな勝利をつかむのか。ここまでドラマを見てきた以上は、どうしても、最終回をみなければなりません。気持ちよく日曜の夜を終わりたいものです。
まずは、あらすじです。
<あらすじ>
香坂(長谷川博己)は、ついに早明学園の裏帳簿の破れたページを垣間見る。それは、捜査一課長の小野田(香川照之)の手にあったが、そこに書いてあったのは、予想と異なり、香坂の父親の敦史(木場勝己)の名が書かれてあった。
混乱する香坂。しかし、横沢(井上芳雄)の犯行とは信じられない香坂は山田と協力し、自身の首をかけて17年前の真相を暴く決意をする。
問題の帳簿の肝心な部分は、小野田一課長にすり替えられてしまって調べることはできない。しかし、父親の昔書いた辞表の文面にある「山田さんとの絆」という手掛かりをもとに、香坂は動き始める。
横沢が犯行現場で何かを蹴ったことを思い出した香坂は、それが早明学園のボールペンのキャップである可能性に思い当たる。そのキャップを使って香坂は小野田一課長を現場におびき出すことに成功した。果たして小野田は実際に犯人で、証拠品を隠蔽しようとしたのだろうか。
攻め込む香坂。現内閣官房副長官の山田勲は、早明学園と癒着していた。金崎玲子理事長(和田アキ子)、旧姓山田玲子は、17年前、山田勲の運転担当の松下を殺害していたのだった。自首しようとする山田玲子は富永によって押しとどめられた。この事件のすべてを隠蔽したのは富永だったのだ。
しかし、小野田は江口殺害の犯人ではなかった。真犯人の手掛かりをつかんだ香坂と山田は、早明学園へ向かう。
組織を守るために様々な隠ぺいを行った富永。
その富永を守るため、警察という組織を守るために、証拠を表ざたにはしなかったが、帳簿の切れ端を隠し持ったまま捨てられなかった小野田一課長。
小野田を問い詰めた香坂は、ついに小野田から隠された真実を聞き出すことに成功する。「捜査一課長の正義」を見せろ、と小野田に迫る香坂。涙する小野田。香坂の執念が小野田の硬い壁を崩した瞬間だった。
最後に香坂が勝つのはお約束、ということで、そういう意味では一応のドラマが完結したわけですが、すっきりさわやか、というほどでもなかったですね。
小野田の心情を切り崩して証拠を出させたところはまさに香坂の勝利というところだったし、小野田が一課長を降りて所轄の所長になって、香坂が一課長になったのは、形からすれば、下剋上で、表面的にはスッキリした気持ちにはなりました。
しかし、なんだか重たい最後でしたね。実際、香坂の攻め方を見ていると、小野田と似ている、と思いました。もしや、一課長というポジションは、とても危険なポジションで、香坂のような一徹な性格の人は、小野田のような仕事の仕方になるのでは、と想像してしまいました。
所轄に行った小野田のほうは、負け戦でしたが、なんだかつきものが落ちたようにサワヤカな表情でしたね。
そういうわけで、複雑な気持ちになった最終回でした。とても面白い、というドラマではなかったし、すっきりさわやかというよりむしろストレスがたまるドラマですが、続きがやたら気になります。
続編があったら見たい、かな~。