井伊谷を追われた井伊家の人々+農民たちですが、直虎さんを中心にどっこいちゃんと生き残っています。殿をやめて農夫に転身し、龍雲丸と暮らしている直虎さんですが、やっぱり心は井伊の民みんなに向かっています。
武田軍が攻め入ってきて、井伊の館も、民家もすべて火をかけられ燃えてしまいました。井伊の人々は、例によって隠し里で暮らしています。今回は、井伊家を追い出した張本人の近藤康用まで一緒に・・・。直虎さんって親切ですよね。
近藤氏は、従来の時代劇でなら「猛将」であり、あくまで戦って領土を得ていこうとする立派な武士ではあると思うのですが、今回の大河では、戦わないことで生き延びようとする直虎さんのカタキ役。それでも今回は最終的に直虎さんの提案に同意するあたり、だいぶ角がとれてきたようです。
今回は前から気になっていた高瀬の秘密がいよいよ明らかになりました。高瀬を包み込む直虎さんの心の温かさ、直虎さんを龍雲丸と堺に送り出そうとする井伊家一同のやさしさ。そして龍雲丸のある決断が、また直虎の背中を押してくれました・・・。
<あらすじ★ネタバレ>
近藤(橋本じゅん)は、あくまで武田への帰順を拒み、井伊の城に火をかけてしまった。武田信玄(松平健)は城がやけ、里の家々の農民たちが逃げてしまったことに腹をたて、家々もすべて焼いてしまった。
南渓和尚(小林薫)は、信玄と交渉し井伊の家名を復し、井伊に本領安堵をすることを頼む。こうして井伊に安堵状が届くが、それは近藤の首と引き換え、という条件が書かれていた。
「意趣返しか!」といきり立つ近藤。しかし直虎(柴咲コウ)はこれはあくまで表向きのことであって、実際は近藤と井伊が、時勢に応じて両者で井伊谷を守っていくことを提案する。近藤は疑いながらも、これを了承した。
高瀬(高橋ひかる)は、先に失敗した近藤の暗殺を再び試みようとする。高瀬が間者であることを悟った直虎はあわやのところでこれを止める。高瀬は家の借金と引き換えに井伊に武田の間者として送り込まれていたのだ。しかし、今回の暗殺は、近藤を殺すことで、直虎に井伊谷を取り戻させようという意図だった。
焦土と化した井伊谷では復興作業が始まった。直虎はついに決心して新しい生活を始めるために龍雲丸(柳楽優弥)と堺へ旅立とうとするが、なにやら上の空の様子。見かねた龍雲丸は、直虎に井伊谷へ残ることをすすめる。泣きながら別れを決心する直虎だった。
武田信玄が突然病没し、武田の勢いは下火となった。追い込まれていた徳川勢が再び盛り返し、井伊谷は再び徳川の配下となった。
そして2年後、龍潭寺で直親(三浦春馬)の十三回忌法要が行われることになった。松下家で成長した虎松(菅田将暉)も姿を見せた。
本当に堺へ行ってしまうのかと思われた直虎さん、やっぱりいけませんでしたね。龍雲丸のことはとても好きで一緒に行きたいという気持ちはヤマヤマだったと思いますが、「恋か仕事か」という二者択一。現代なら「時々会おうね、新幹線ならすぐだから・・・」なんてお茶を濁すことも可能ですが、この時代はもう、今生の別れ、になっちゃうんでしょうね。
今では最高の理解者である龍雲丸。直虎を女性としてやさしく包み込み、かつサポートしてくれる最高のカレシではないでしょうか。堺は船で10日かかる、と言ってましたけど、放浪体質の龍雲丸クンですから、もしかしたら、あとでふらっと戻ってきてくれるかもね、と期待しておきましょう。
<今週の一言>by龍雲丸クン
城も家もなくともさ、あんたはここの城主なんだよ、もう根っからそうなってるんだよ。だから、戻れ!
・・・それにしても、今回の目玉は最後についに登場した「成長した虎松」(菅田将暉)です。父の直親を思い出させるようなサワヤカな青年ですが、どうやら、これから暴れてくれそうな気配。たしか最後に別れたときは、井伊家を再興しないという直虎さんにさんざん抵抗していましたね。南渓和尚がどうやって彼を言いくるめたのかが興味深いところです。
<もう一言>by虎松クン
「松下の虎松にございます。・・・おや、どうかなされましたか、おとわ様!」
来週から、虎松クンの活躍が期待できそうです。